「紫外線カット剤」の最新事情について解説

紫外線カット剤の最新事情|日本と欧米の規制の違いを徹底解説 スキンケア
紫外線カット剤の最新事情|日本と欧米の規制の違いを徹底解説

紫外線カット剤の最新事情|日本と欧米の規制の違いを徹底解説

日焼け止めなどに使用される「紫外線カット剤」は、国や地域によって規制が異なります。本記事では、日本化粧品検定協会の顧問・藤岡氏の解説をもとに、日本・欧米における紫外線カット成分の規制の違いや、最新の技術動向をわかりやすくご紹介します。

日本と欧米における紫外線カット剤の規制の違い

紫外線カット剤(UVフィルター)は、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を指します。日本ではこれらは化粧品として扱われていますが、アメリカでは「OTC医薬品」として規制される点が大きな違いです。

欧米では紫外線防止は「がん予防」の側面が強く、医薬品レベルの安全性が求められます。一方、日本では美容目的と捉えられやすく、化粧品基準での取り扱いとなっています。

日本で承認されている紫外線吸収剤の数と特徴

日本では現在、34種類の紫外線吸収剤が「化粧品基準」に収載されており、使用上限は成分や使用部位(粘膜・洗い流し用途など)によって異なります。これに対し、EUでは30種類、アメリカでは12種類が承認されています。

日本独自の規制「粘膜使用」や「洗い流し用途」とは?

日本では、紫外線吸収剤の使用に関して、粘膜に使用するか否か、洗い流すタイプかどうかで分類・規制されています。これにより、安全性に配慮した製品設計が求められています。

散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛)とその規制

紫外線散乱剤は、一般的に酸化チタンや酸化亜鉛が使われています。日本では、これらは従来のメイクアップ製品にも使用されていたことから、化粧品基準への収載は不要とされています。

しかし、EUでは「UVカット作用がある以上、紫外線カット剤として規制すべき」との考えから、上限濃度(25%)が設定されています。また、粒子の大きさや形状、表面処理などに対しても細かな規制が存在します。

ナノマテリアルに対する欧州の規制

ナノサイズの紫外線散乱剤に対して、EUでは特に厳しい規制があります。ナノマテリアルは、通常のサイズの成分とは異なる挙動をする可能性があるため、製品に含まれる場合は「ナノマテリアル含有」の表示義務があります。

また、スプレー製品など「吸引の恐れがある形状」の製品には使用が制限されており、今後の研究結果によりさらなる規制強化も懸念されています。

まとめ|グローバル展開には各国規制の理解が不可欠

化粧品開発や製造において、紫外線カット剤の規制を理解することは極めて重要です。特に海外展開を視野に入れる場合、日本と欧米の制度・成分の許可範囲・表示義務の違いを把握しておく必要があります。

今後はナノマテリアルの扱いや、紫外線防御における新規成分の動向も注視しながら、より安全で効果的な製品設計が求められていくでしょう。

引用・参考 日本化粧品検定協会紫外線による健康影響(環境省)国立環境研究所
、総 説 紫外線防御の皮膚科学的意義 – J-Stage

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