【日焼け止め効果を科学的に解剖!】SPFとPAの測定方法を徹底解説|紫外線対策の基礎知識
導入:日焼け止め、本当に効果ある?SPFとPAの秘密を解き明かす
「SPF50+、PA++++って最強の日焼け止めだ!」
そう思って安心して日焼け止めを使っている方もいるかもしれません。しかし、その数値や「+」の意味、そしてどのように測定されているのかを詳しく知っていますか?
この記事では、日焼け止めの効果を示す**SPF(紫外線B波防御指数)とPA(紫外線A波防御等級)**の測定方法を徹底的に解説します。これらの数値を正しく理解することで、あなたは自分の肌質や目的に合った日焼け止めを選び、紫外線を効果的に防ぐことができるようになります。
さあ、日焼け止めの「?」を「!」に変えて、賢く紫外線対策を行いましょう!
1. SPF(紫外線B波防御指数)とは?肌が赤くなるのを防ぐ指標
**SPF(Sun Protection Factor)は、主に肌の表面にダメージを与え、日焼けやシミ、そばかすの原因となる紫外線B波(UVB)**を防ぐ効果を数値で表したものです。
- 数値の意味: 例えば、「SPF10」と表示されている場合、何も塗らない場合に比べて、肌が赤くなるまでの時間を約10倍に延長できるという意味になります。
- 最大表示: SPFの測定値が50を超えた場合は、「50+」と表示されます。これは、非常に高いUVB防御効果があることを示しています。
2. PA(紫外線A波防御等級)とは?肌の奥深くまで影響する波長を防ぐ指標
**PA(Protection Grade of UVA)は、肌の奥深くまで侵入し、シワやたるみなど光老化の原因となる紫外線A波(UVA)**を防ぐ効果を「+」の数で表したものです。
- 「+」の数: 「+」の数が多いほど、UVA防御効果が高いことを示します。現在の最大表示は「++++」です。
- PA+:UVA防御効果がある
- PA++:UVA防御効果がかなりある
- PA+++:UVA防御効果が非常にある
- PA++++:UVA防御効果が極めて高い
3. 日本におけるSPF・PAの測定方法:国際基準に準拠
日本で販売されている日焼け止めのSPFとPAの測定は、日本化粧品工業連合会が定めるガイドラインに基づいて行われています。このガイドラインは、国際的な基準である**ISO(国際標準化機構)**の規格にも準拠しており、信頼性の高い測定方法が採用されています。
ただし、SPFやPAの表示ルールは国や地域によって異なる場合があります。そのため、海外製品を購入する際は、その国の表示基準を確認することが大切です。
4. 実際の測定手順を解説:専門機関による厳密なテスト
SPFとPAは、実際に人の肌を使って、以下のような手順で測定されます。
- 被験者の選定: 健康な成人10人以上が被験者として選ばれます。SPF測定には主にスキンタイプ1(日に当たると常に赤くなるが、ほとんど黒くならない)〜2(日に当たると赤くなりやすく、その後黒くなる)の方が、PA測定にはスキンタイプ1〜4(日に当たると赤くなり、その後黒くなる〜日に当たるとあまり赤くならず、かなり黒くなる)の方が用いられます。
- 日焼け止めの塗布: 被験者の皮膚に、日焼け止め製品を均一に2mg/cm²(または液体の場合2ml/平方センチメートル)の量で塗布します。これは、メーカーが推奨する量を塗布した場合の効果を測定するための基準量です。
- 紫外線照射: 日焼け止めを塗布した部位と塗布していない部位に、それぞれ特定の波長の紫外線を照射します。
- SPF測定: UVBを含む人工光源を使用し、肌が赤くなるまでの紫外線量を測定します。
- PA測定: UVAのみを含む人工光源を使用し、肌が黒くなるまでの紫外線量を測定します。
- 効果の評価: 紫外線照射後、一定時間経過後に肌の状態を観察し、赤くなった(SPF)または黒くなった(PA)紫外線量を評価します。
5. SPFとPAの計算方法:数値と「+」はどう決まる?
測定された紫外線量のデータをもとに、以下の計算方法でSPF値とPAの「+」の数が決定されます。
-
SPFの計算: 例えば、日焼け止めを塗らないと5分で肌が赤くなる人が、ある日焼け止めを塗ると60分赤くならなかった場合、その日焼け止めのSPFは 60 / 5 = 12 となります。
-
PAの決定: UVAを照射し、肌が黒くなるまでの最小の紫外線量(MPPD: Minimal Persistent Pigment Darkening dose)を測定します。日焼け止めを塗布した時と塗布していない時のMPPDの比に基づき、「+」の数が以下のように決定されます。
| UVA防御指数(PFA) | PA表示 |
-
| —————– | —— |
-
| 2以上4未満 | PA+ |
-
| 4以上8未満 | PA++ |
-
| 8以上16未満 | PA+++ |
-
| 16以上 | PA++++ |
6. 知っておくべき注意点:使用量が効果を左右する
SPFとPAは、定められた量を肌に塗布した場合の効果を示す数値です。しかし、実際の消費者が日焼け止めを使用する際、この基準量よりも少ない量しか塗布していないことが多いのが現状です。
- 塗布量の重要性: 日焼け止めの効果は、塗布量に大きく左右されます。量が少ないと、表示されているSPFやPAの効果を十分に得ることができません。
- スプレータイプの注意点: 特にスプレータイプの日焼け止めは、均一に塗布することが難しく、使用量が少なくなりがちです。手のひらに一度吹き付けてから、丁寧に肌に伸ばして使用するように心がけましょう。
- 塗り直しの重要性: 汗をかいたり、タオルで拭いたりすると、日焼け止めの効果は薄れてしまいます。2〜3時間おきを目安に、こまめに塗り直すことが大切です。
まとめ:SPFとPAを正しく理解して、効果的な紫外線対策を
この記事では、日焼け止めの効果を示すSPFとPAの測定方法について詳しく解説しました。これらの数値を正しく理解し、適切な量を塗布することで、紫外線からしっかりと肌を守ることができます。
今日からあなたも、SPFとPAの知識を活かして、賢く効果的な紫外線対策を実践しましょう。一年を通して紫外線対策をしっかりと行うことが、未来の美しい肌を守るための第一歩です。
さあ、お手持ちの日焼け止めのSPFとPAの表示を改めて確認し、適切な使用量を守って、紫外線から肌を守りましょう!
参考URL:
- 日本化粧品工業連合会: https://www.jcia.org/ (紫外線防御効果測定法に関する情報が掲載されています)
- ISO 24443:2021 – Determination of sunscreen UVA photoprotection in vitro: https://www.google.com/search?q=https://www.iso.org/standard/79292.html (PA測定に関する国際規格)
- ISO 24444:2019 – Determination of the sun protection factor (SPF) of cosmetic products in vivo: https://www.iso.org/standard/75356.html (SPF測定に関する国際規格)
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